昨年5月に初めて訪れた瀬戸内海。
すっかり魅せられたひとつで、
毎月足を運んでしまった謎の島、讃岐広島。 
すでにブログで書いていることですが、
謎の島と呼んだのは、島作家の斉藤潤さん。
(私の旅作家、旅人としての師匠です)

そう、瀬戸内海の塩飽諸島でも、とくに
なにがあるわけでないと見せかけて、でも、
ワクワクするようなお宝に溢れているような
そんな島だったのだ。

人口300人弱の広島。
その中の 26人(現在30人とも)の集落、茂浦(もうら)で
かけがえのない人たちに出会ったのがきっかけで、
私は島に何度も足繁くかよった。

茂浦で暮らす私の両親よりも歳上の島の方々。 
みなさんが、「島をどうにかしたい」 という思いと、
瀬戸内海の美しい家並みが長く残ってくれたらという思いで
一緒に古民家再生にとりかかった。
「ここが完成したら、きっとたくさんの人が来てくれるだろう」

仕事でもなんでもなくて、ただ純粋な気持ちでみんなと
同じ「夢」に向かうのは、とても尊いことだと思った。

そうして、島でたくさんの方に出会い、
行くたびに、会いたい人が増えていった。

皆の思いを形に、少しずつ古民家は再生していったけれど、
順調のようで、お金がかかることもあったりして
諦めそうになったり、それぞれの思いが行き違い、
島の人との話し合い中、皆の前で大泣きしこともある。
もう、かかわらないほうがいいのかなと、自分の存在を
疑問に感じた日々もあった。
それでも、「次はいつくるんだ」「笑顔でこいよ」という
言葉に、行くのをやめることはできなかった。

悔しい思いや、やるせない気持ち、どうしていいかわからない不安は、
仕事でなくとも一生懸命やっている限り、人生には必ずあるんだ。
そういう気持ちがあったからこそ、誇りに思う経験だと、今は気づくのだ。
投げ出すことは簡単だけど、諦めたら終わってしまう。
そう教えてくれたのは、島の人たちだった。

そして今年初の茂浦。
昨年11月ぶりに皆さんと会いました。
古民家も、トイレが完成していた。

これからも、たくさんのことがあるだろう。
とにかく、やるんだ。

そう言う、島の皆さんの顔を見ていたら、また泣きそうになった。

来月いよいよ古民家「ひるねこ」のお披露目会をすることになりました。
また過去にもどって、島プロジェクトの経過を
ブログにアップしようと思います。

ところで、今回は、茂浦の行事で、かつて門外不出だった
百々手神事(ももて)を見学しました。
見応え十分!
タイムスリップしたみたいな錯覚になりました。


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前日から神事につかう物を皆で作り、用意します。

当日の朝、弓の射手者はそれぞれ家紋入りの裃を着て
弓の準備をします。


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神事で使う物、弓を掲げて塩釜神社へ。
神仏習合の名残からか、神事とはいえ、隣の島(本島)から
住職が来て執り行なうのです。

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神社と住職。不思議!
ここで、神様にご挨拶。


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いよいよ弓を射る神事に。
百々手神事は、五穀豊穣や悪霊退散、厄払い、様々な祈願成就のため
江戸時代から続く儀式。
着ていらっしゃる裃は、古いもので100年前のものだそうです。

歩き方、矢の持ち方、置き方、
所作一つ一つに決まりがあるのか、美しいです。



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「●●さん、大漁祈願!」など口にだしてから、
矢が放たれます。

弦が矢を放つときに弾く音、ピュンっと飛んで行き、
ドスンと的に落ちる音。
時代劇を目の前で見ている気分でした。

厳かな雰囲気から、お昼をはさんで少しお酒が入ると
みなさんほんわかとした雰囲気になって、
旅女の祈願の時には、
「ええ? なんやて? 長すぎて覚えられん!」と
射手者の皆様からぶーぶーと言われました。笑
(私の祈願は自治会長さんたちの計らいです)

「なに、もう一回言って? え、旅女こばやしのぞみの…
旅先安全、増刷祈願……? 増刷?」

それから、古民家ひるねこの「来島祈願」も!
みなさん、なんとか口にしながら(笑)矢を射てくれました!

たしかに、増刷やら来島やら、何百年と続く神事で
初めての祈願ではないかと思われます。

神事が終わると、天王さんまで山をのぼり、
使った道具を山に返してきました。


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茂浦の集落とその向こうに瀬戸内海。


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「おつかれさん!」
素敵な笑顔をいただきました。
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また来年も行きたい!
観光客の多い有名なお祭りもよいけれど、改めて
ひっそりとした秘境でおこなわれる伝統の神事は
見応え十分でした。
かつて門外不出でしたが今は一般の方も見にこられるので
ぜひ来年の旧正月の週末、いらしてみてはどうでしょう?



あ、ちなみに茂浦の女性たちは、ずっと裏で準備に徹し
神事の前にでてこませんが、ずーーーっと働きぱなしです。
女性なくして、神事はできない。
改めて、女性の存在の力強さを感じました!

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